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2026年2月17日

ゼロエミッションとは?意味と企業が取り組む際のポイント・事例を解説

ゼロエミッションとは?意味と企業が取り組む際のポイント・事例を解説

ゼロエミッションとは、廃棄物の排出を限りなくゼロに近づけることを目指す考え方です。もともとはごみを出さない社会づくりを目的とした取り組みでしたが、近年ではCO₂排出量の削減にもつながる重要な概念として、企業活動の中で注目されています。

環境対応が企業評価や取引条件に影響する場面が増える中、基本的な意味や取り組み方を正しく理解しておくことが重要です。

本記事では、ゼロエミッションの意味や注目される背景、企業が取り組む際のポイントを分かりやすく解説するとともに、実際の企業事例をご紹介します。

ゼロエミッションとは?意味と基本的な考え方

ゼロエミッションとは、事業活動によって発生する廃棄物を限りなくゼロに近づけることを目指す考え方です。単に廃棄物を減らすのではなく、出てしまった廃棄物も資源として再利用し、最終的に埋め立てや焼却に回さない状態を目標とします。

この考え方は、もともと「ごみを出さない社会」を実現するための取り組みとして広まりました。しかし近年では、ゼロエミッションという言葉が、廃棄物対策に加えてCO₂排出量削減を含む広義の環境施策を指す文脈で使われるケースも見られます。廃棄物を減らし、再資源化を進めることは、焼却処理に伴う温室効果ガスの削減につながるためです。そのため、環境負荷を低減する企業活動の一環として注目されています。

ゼロエミッションが注目されている理由

ゼロエミッションが注目されている理由について紹介します。

温室効果ガスの排出削減が国際的に求められているため

温室効果ガスの排出削減が重視される背景には、2015年のパリ協定で「2050年までに排出量を実質ゼロにする」ことが世界共通の目標として掲げられたことがあります。地球規模での気温上昇や海面水位の上昇、豪雨の増加といった問題への対応が、各国に求められるようになりました。

こうした課題への対策として、ゼロエミッションの考え方は重要です。なぜなら、廃棄物を減らし、資源を循環させる取り組みは、温室効果ガスの排出抑制にもつながるためです。

日本でも、国や企業が一体となって排出量をゼロに近づける取り組みを進めています。その中で、製造や物流、廃棄の過程で発生する環境負荷をどのように抑えるかが、企業活動における重要なテーマとして注目されています。

環境問題への対応が企業に求められるようになっているため

近年、環境問題への取り組みは、企業の自主的な活動にとどまらず、制度やルールとして求められる段階に入っています。例えば、2025年4月には省エネ法の改正が予定され、企業にはこれまで以上に具体的な対応が求められるようになりました。

かつては、環境配慮は「取り組めば評価されるもの」という位置づけでしたが、現在では、法令によって対応が義務付けられるケースも増え、実施していることが前提条件になりつつあるでしょう。

また、取引先から環境配慮の状況について説明を求められたり、投資家が環境リスクを重視して企業を評価したりする場面も珍しくありません。環境への取り組み姿勢が、取引や資金調達に影響するケースも見られます。

もともとは廃棄物を出さない考え方として注目された

ゼロエミッションは、もともと廃棄物の発生そのものを抑える社会を目指す考え方として注目されてきた言葉です。

日本では、1960年代から1970年代にかけての高度経済成長期に、生産量や消費量が急速に拡大しました。その結果、家庭や事業活動から排出されるごみの量も増加し、1960年から1980年までの約20年間で、総排出量はおよそ5倍にまで膨らんだとされています。

廃棄物処理が社会的な課題となる中で、「出たごみをどう処理するか」ではなく、「そもそも廃棄物を出さない仕組みをつくるべきではないか」という発想が生まれたのが、ゼロエミッションの原点です。

ゼロエミッションに取り組むメリット

ゼロエミッションに取り組むことは、環境への配慮にとどまらず、企業経営にもさまざまなメリットをもたらします。企業がゼロエミッションに取り組むことで得られる主なメリットについて紹介します。

廃棄物の削減につながる

ゼロエミッションに取り組む最大のメリットの一つが、廃棄物の削減につながることです。事業活動の中で発生していた廃棄物を見直し、再利用や再資源化を進めることで、最終的に処分する量を減らせます。

例えば、製造工程で発生する端材や副産物を別の原料として活用したり、分別を徹底してリサイクル率を高めたりする取り組みが挙げられます。これにより、焼却や埋め立てに回る廃棄物を減らすことが可能です。

CO₂排出量の削減につながる

ゼロエミッションに取り組むことは、CO₂排出量の削減にもつながります。廃棄物を減らし、再資源化を進めることで、焼却処理に伴う温室効果ガスの排出を抑えられるためです。

また、資源を有効活用する過程で、原材料の新規調達や製造工程にかかるエネルギー使用量を見直すきっかけにもなります。その結果、事業全体でのエネルギー消費を抑え、間接的にCO₂排出量の削減につながるケースも少なくありません。

このように、ゼロエミッションは廃棄物対策にとどまらず、脱炭素の視点からも有効な取り組みです。

環境対応に積極的な企業として評価されやすくなる

近年では、求職者が企業選びの際に、環境への取り組み姿勢を重視する傾向が強まっています。特に若い世代を中心に、社会課題や環境問題に向き合う企業で働きたいと考える人は少なくありません。

また、消費者も企業の環境対応に関心を持つようになっています。環境問題に真剣に取り組んでいる姿勢を発信することで、企業や製品に対する共感が生まれ、ブランドイメージの向上が期待できるでしょう。

このように、ゼロエミッションは環境対策であると同時に、企業の魅力を外部へ伝える手段でもあります。中長期的な視点で見ると、企業価値の底上げにつながる取り組みです。

中長期的なコスト削減につながる

ゼロエミッションへの取り組みは、中長期的に見るとコスト削減につながる可能性があります。廃棄物やエネルギーの使い方を見直すことで、無駄な支出を減らせるためです。例えば、廃棄物の発生量が減れば、処理費用や運搬費の負担が軽くなります。再資源化が進めば、原材料の購入量を抑えられるケースもあります。

また、エネルギー使用量を見直す過程で、設備の運用改善や効率化が進むことも少なくありません。短期的にはコストが発生する取り組みであっても、継続することで費用対効果が高まり、経営の安定化に寄与します。

企業はゼロエミッションにどのように取り組めばよいか

ゼロエミッションは、理念だけを掲げても実現しません。現状を把握し、できるところから段階的に進めていくことが重要です。企業がゼロエミッションに取り組む際に押さえておきたいポイントを紹介します。

廃棄物やCO₂排出量の現状を把握する

ゼロエミッションに取り組む第一歩は、自社の廃棄物やCO₂排出量の現状を正しく把握することです。現状が分からなければ、どこに課題があり、何から手を付けるべきか判断できません。

例えば、どの工程でどのような廃棄物が発生しているのか、どの業務や設備が多くのエネルギーを消費しているのかを整理します。量や頻度を数値で把握することで、改善の余地が見えやすくなります。

この段階では、完璧な算定を目指す必要はありません。まずは把握できる範囲で整理し、課題の大きさをつかむことが重要です。

廃棄物の削減や再資源化に着手する

現状を把握できたら、次は廃棄物の削減や再資源化に着手する段階です。すべてを一度に変えようとするのではなく、取り組みやすい部分から進めることがポイントになります。

例えば、分別方法を見直してリサイクル率を高めたり、製造工程で発生する端材や副産物の再利用先を検討したりする方法があります。これまで廃棄していたものでも、使い方を変えれば資源として活用できるケースは少なくありません。

廃棄物の削減や再資源化は、比較的着手しやすく、効果も見えやすい取り組みです。小さな改善を積み重ねることで、ゼロエミッションに向けた土台を固めていくことができます。

エネルギー使用量を見直し、無駄を減らす

廃棄物対策とあわせて、エネルギー使用量の見直しもゼロエミッションには欠かせません。電力や燃料の使い方には、気づかないうちに無駄が生じているケースが多いためです。

例えば、稼働状況に対して過剰な設備運転が行われていないか、待機電力が発生していないかを確認します。運用方法を少し見直すだけでも、エネルギー消費を抑えられる場合があります。

数値を基に改善を重ね、継続的に取り組む

ゼロエミッションは、一度の取り組みで完結するものではありません。数値を基に改善を重ね、継続的に取り組む姿勢が重要です。

廃棄物量やCO₂排出量、エネルギー使用量を定期的に確認し、取り組みの効果を検証します。数値で変化を把握できれば、どの施策が有効だったのかを判断しやすくなります。

また、改善点が見つかれば、次の対策へとつなげていくことが大切です。小さな見直しを積み重ねることで、無理なくゼロエミッションに近づいていく流れが生まれます。

社内で方針を共有し、取り組みを定着させる

ゼロエミッションを進めるうえでは、担当部署だけで完結させず、社内全体で方針を共有することが重要です。一部の部署だけが取り組んでいても、継続的な改善にはつながりません。現場レベルでの小さな工夫や改善提案が集まることで、取り組みが形骸化しにくくなります。

ゼロエミッションは、設備や仕組みだけで実現するものではありません。社内で共通認識を持ち、取り組みを習慣として定着させることが、成果を出し続けるためのポイントといえるでしょう。

ゼロエミッションに取り組む企業の事例

ゼロエミッションは、理論や方針だけでなく、実際の企業活動の中でどのように実践されているかを知ることが重要です。具体的な事例を見ることで、自社に置き換えた際のイメージがしやすくなります。

積水ハウス|工場の廃材再資源化でゼロエミッションを達成

積水ハウスは、20年以上前からゼロエミッションの推進に取り組んできた企業です。2002年には全工場で「単純焼却ゼロ・埋め立て処分ゼロ」を達成し、2005年には施工段階で発生する廃棄物についてもゼロエミッションを実現しました。

同社は施工現場で発生する廃棄物を27種類に分別し、回収後は資源循環センターで最大80種類に再分別したうえで、再資源化を行う仕組みを構築しました。

サントリーホールディングス|再生可能エネルギーと燃料転換でCO₂削減

サントリーホールディングスでは、工場で使用する燃料の見直しを通じて、CO₂排出量の削減を進めています。具体的には、重油から都市ガスや液化天然ガスへ切り替え、熱量あたりの排出量を抑える取り組みを行ってきました。省エネと排出削減を同時に進めたことが特徴です。

2021年から稼働している長野県の工場では、グループで初めてCO₂排出実質ゼロを実現しています。バイオマス燃料を用いたボイラーの導入に加え、再生可能エネルギー由来の電力を調達することで、エネルギーの排出を抑えました。

日本製鉄|副生ガスや水の再利用で循環型製造プロセスを実現

日本製鉄は、日本最大手であり、世界的にもトップクラスの鉄鋼メーカーとして、社内でゼロエミッションの推進に取り組んでいます。製鉄という環境負荷の大きい産業において、工程全体を見直した循環型の仕組みを構築していることが特徴です。

同社では、製造工程で発生する副生ガスを無駄にせず、鋼材の加熱用燃料や製鉄所構内の発電所におけるエネルギー源として100%有効活用しています。また、製鉄時に発生する鉄鋼スラグやダスト、スラッジ、使用済み耐火レンガといった副産物についても、リサイクルを徹底しています。

まとめ

ゼロエミッションは、廃棄物を出さないことを目指す考え方として生まれ、現在ではCO₂排出量の削減にもつながる重要な環境施策として注目されています。

ゼロエミッションを進めるうえでは、廃棄物やエネルギー使用量、CO₂排出量を数値で把握し、継続的に改善する仕組みが欠かせません。取り組みを実効性のあるものにするには、現状を正しく把握できる環境づくりが重要です。

エネグラフは、安価なエッジデバイスを取り付けるだけでCO₂削減量やエネルギー使用量を把握することが可能です。ゼロエミッションへの取り組みを「検討段階」で終わらせず、まずは現状把握から始めたい方はぜひご検討ください。

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