空調の省エネ効果を高める7つの方法|メリットや見える化の重要性を解説
一般的なオフィスビルや工場では、空調設備が電力使用量の大きな割合を占めるため、空調の運用方法を見直すことで、電気料金の削減やCO₂排出量の削減につながります。
しかし、「どのような方法で空調を省エネすればよいのか分からない」と悩んでいる担当者の方もいるのではないでしょうか。
空調の省エネを進めるためには、設定温度や運転方法の見直しだけでなく、設備の状態や電力使用状況を把握したうえで適切な対策を実施することが重要です。
本記事では、空調の省エネが重要な理由や省エネ効果を高める7つの方法、空調を省エネするメリットについて解説します。また、効率的に省エネを進めるために重要な電力使用量の見える化についても紹介しますので、参考にしてください。
目次
まずは、空調の省エネが重要な理由について解説します。
一般的なオフィスビルなどでは、夏季ピーク時の電力使用量のうち、空調設備が約48.6%を占めるとされています。そのため、空調設備の運用方法や設備の状態を見直すことで、大きな省エネ効果が期待できます。
また、空調は日常的に使用する設備であるため、小さな改善でも継続することで電力使用量の削減につながります。効率よく省エネを進めるためにも、空調設備は優先的に見直したい設備の一つです。
近年は燃料価格の高騰やエネルギー情勢の変化などを背景に、電気料金が上昇しています。そのため、多くの企業で電気料金の削減が課題となっています。
空調は長時間稼働する設備であるため、電気料金への影響も小さくありません。設定温度や運転方法を見直すだけでも、電力使用量や電気料金の削減につながる場合があります。
今後も電気料金の高止まりが続く可能性があるため、コストを抑えるためにも空調の省エネに取り組むことが重要です。
空調の省エネは、電気料金の削減だけが目的ではありません。
適切な運用や設備の見直しによって、CO₂排出量の削減や快適な作業環境の維持にもつながります。また、環境への取り組みを進めることで、企業価値の向上も期待できます。空調を省エネする主なメリットについて見ていきましょう。
空調を省エネする最大のメリットは、電気料金を削減できることです。
電気代を抑えるために、省エネに取り組む企業は少なくありません。電気料金は毎月発生する固定費であるため、一度省エネに成功すれば継続的なコスト削減につながります。
例えば、省エネ性能の高い空調設備へ更新した場合は、長期間にわたって電気料金の削減効果が期待できます。設備の導入には初期費用がかかるものの、長期的に見ればランニングコストの削減によって投資を回収できるケースもあるでしょう。
空調を省エネすると、電力使用量が減るためCO₂排出量の削減にもつながります。
近年は企業にも脱炭素への取り組みが求められており、CO₂排出量の削減は重要な経営課題の一つです。空調は多くの電力を消費する設備であるため、省エネによる環境負荷の低減効果も期待できます。
また、CO₂排出量の削減は環境保全に貢献できるだけでなく、RE100やGXなど脱炭素経営への取り組みにも役立ちます。今後を見据えた企業経営を進めるうえでも、空調の省エネは重要な取り組みといえるでしょう。
空調を省エネすると、「設定温度を緩めるだけ」と考える方もいるかもしれません。しかし、本来の省エネは無駄なエネルギー消費を減らしながら、快適な室内環境を維持することです。
例えば、空調設備を適切に運用・更新することで、室温のムラを抑えやすくなります。暑すぎる、寒すぎるといった環境が改善されれば、従業員の身体的な負担も軽減されるでしょう。
快適な作業環境は、従業員の満足度や生産性の向上にもつながります。空調の省エネは、コスト削減だけでなく、働きやすい職場づくりにも役立つ取り組みです。
近年は消費者や取引先、投資家だけでなく、求職者からも企業の環境への取り組みが注目されています。
空調の省エネによって電力使用量やCO₂排出量を削減することは、環境負荷の低減につながる取り組みです。環境に配慮した企業として評価されれば、企業イメージやブランド価値の向上も期待できます。
また、空調設備を適切に運用することで、快適な職場環境の維持にもつながります。働きやすい職場は従業員の満足度向上だけでなく、求職者に対しても良い印象を与え、人材確保にもプラスに働くでしょう。
空調の省エネ効果を高める具体的な方法を見ていきましょう。
空調を省エネするうえで、まず見直したいのが設定温度です。
設定温度が低すぎたり高すぎたりすると、空調設備に大きな負荷がかかり、電力使用量の増加につながります。環境省では、夏は室温28℃、冬は室温20℃を目安としており、快適性と省エネを両立できる温度設定を心がけることが大切です。
ただし、省エネを優先するあまり、無理に設定温度を変更するのはおすすめできません。従業員が暑さや寒さを感じる環境では、作業効率の低下や体調不良につながる恐れもあるため注意しましょう。
空調設備は定期的なメンテナンスを行うことで、省エネ性能を維持できます。
特にエアコンのフィルターにほこりや汚れがたまると、空気の流れが悪くなり、設定温度まで冷暖房するために余計な電力を消費してしまいます。また、室外機の不具合や冷媒漏れなども、空調効率の低下につながる原因です。
フィルターの清掃や点検を定期的に実施することで、無駄な電力消費を抑えられるだけでなく、故障の予防や設備の長寿命化にもつながります。
会議室や倉庫、休憩室など、使用していないエリアの空調を停止するだけでも、省エネ効果が期待できます。また、営業時間外や休日は、必要な設備だけを稼働させることも重要です。
一方で、会議や作業が終わった後に空調を消し忘れるケースも少なくありません。退室時に空調を停止するよう呼びかけたり、注意喚起の掲示を設置したりすることで、従業員の省エネ意識向上にもつながります。
近年はエリアごとに空調を制御できるシステムや人感センサーを活用した設備も増えています。空調が本当に必要な場所だけを効率よく運転することで、快適な室内環境を維持しながら無駄な電力消費を抑えられるでしょう。
空調設備を長年使用している場合は、高効率な空調設備への更新も検討しましょう。
古い空調設備は最新機種と比べて省エネ性能が高くありません。省エネ性能の高い空調設備へ更新することで、同じ冷暖房効果でも消費電力を抑えられます。
また、老朽化した空調設備は性能が低下し、設定温度まで冷えにくい、暖まりにくいといった問題が発生することもあります。設備を更新することで、快適な室内環境を維持しながら電気料金の削減も期待できるでしょう。
室外機の吹出口や吸込口の周辺に物が置かれていると、空気の流れが悪くなり、空調効率が低下する原因になります。また、直射日光が当たり続ける場所では室外機の温度が上昇し、冷房時の負荷が大きくなる場合があります。
そのため、室外機の周辺は整理整頓を心がけ、風通しを確保することが大切です。必要に応じて日よけを設置するなど、室外機が効率よく運転できる環境を整えることで、省エネ効果の向上が期待できます。
夏や冬に外気温と室温の差が大きい場合は、必要以上に外気を取り込まないよう設定を見直すことで、空調設備への負荷を軽減できます。一方、春や秋など外気温が快適な時期は、外気を有効に活用することで空調の負荷を抑えられる場合があります。
また、建物の利用人数が少ない時間帯は外気導入量を減らし、人が多い時間帯は換気量を確保するなど、状況に合わせて調整することも大切です。
建物全体の電力使用量だけでは、どの空調設備が多くの電力を消費しているのか分かりません。そのため、空調ごとの使用状況を見える化し、電力使用量の多い設備や無駄な運転がないか確認しましょう。
また、改善施策を実施した後は、電力使用量がどのように変化したのかを比較することも大切です。数値で効果を確認できれば、取り組みの成果を把握しやすくなり、次の改善にもつなげられます。
空調ごとの電力使用量を見える化できれば、改善すべき設備や運用方法を判断しやすくなります。また、施策を実施した後の効果も数値で確認できるため、継続的な改善にもつながります。空調の省エネにおいて電力使用量を見える化するメリットを見ていきましょう。
電力使用量を確認すると、営業時間外や休日にも空調が稼働している設備や、人がいないエリアの空調が停止されていない設備などを把握できます。
また、同じ広さや用途の部屋なのに、一部の空調だけ電力使用量が極端に多い場合は、設定温度や運転時間に問題がある可能性があります。設備の老朽化や故障が原因となっているケースも考えられるでしょう。
このように、数値を比較することで目視では気付きにくい無駄な運転や異常を発見しやすくなります。
空調設備は複数台設置されていることも多く、すべてを一度に更新したり改善したりするのは現実的ではありません。
電力使用量を設備ごとに比較すれば、どの空調が多くの電力を消費しているのか一目で分かります。そのため、電力消費が大きい設備から優先的に点検や更新を進めるなど、効率よく改善計画を立てられます。
限られた予算の中でも優先順位を付けて対策を進められるため、費用対効果の高い省エネにつながるでしょう。
省エネ対策は、実施しただけで終わりではありません。本当に効果があったのかを確認し、必要に応じて改善を重ねることが大切です。
空調ごとの電力使用量を記録しておけば、設定温度の変更や設備のメンテナンス、運転方法の見直しなどを実施した前後で電力使用量を比較できます。数値で効果を確認できるため、どの施策が効果的だったのか客観的に判断できることがメリットです。
期待したほど効果が出ていない場合は、別の改善策を検討するきっかけにもなります。継続的にデータを確認しながら改善を繰り返すことで、より高い省エネ効果が期待できるでしょう。
空調設備は長期間使用できる一方で、老朽化すると省エネ性能が低下し、電力使用量が増加することがあります。しかし、故障していなければ更新のタイミングを判断するのは簡単ではありません。
空調ごとの電力使用量を継続的に確認していれば、以前より電力使用量が増えている設備や、他の設備と比べて消費電力が大きい設備を把握できます。こうしたデータは、設備の更新やオーバーホールを検討する判断材料になるでしょう。
また、更新前後の電力使用量を比較すれば、省エネ効果や費用対効果も確認できます。データに基づいて設備更新を進めることで、より効率的な設備投資につながるでしょう。
空調の省エネを効率よく進めるためには、空調ごとの電力使用量を継続的に把握することが重要です。しかし、設備ごとの電力使用量を手作業で集計・管理する場合、多くの時間と手間がかかります。
エネグラフは、空調ごとの電力使用量を見える化し、効率的なエネルギー管理を支援するシステムです。省エネ対策の立案から効果検証まで、一連の管理をサポートします。空調の省エネにエネグラフがおすすめの理由を見ていきましょう。
エネグラフは、空調ごとの電力使用量をグラフで分かりやすく見える化できるシステムです。
数値だけでは把握しにくいエネルギー使用量も、ダッシュボード上で視覚的に確認できます。そのため、設備ごとの使用状況や使用量の変化を一目で把握しやすくなります。
また、改善施策の実施前後でデータを比較できるため、省エネ効果も確認できます。使用量の推移や目標値との差を分析しながら改善点を見つけられるため、継続的な空調の省エネにも役立つでしょう。
エネグラフは、既存のCTクランプや流量計などにエッジデバイスを取り付けるだけで導入できます。そのため、大規模な設備工事や配線工事を行わずに、エネルギーの見える化を始められます。
また、エッジデバイスは専用アプリで簡単に設定できるほか、接続するセンサーの組み合わせによって最大5点まで計測可能です。空調設備だけでなく、コンプレッサーや生産設備など、見える化したい設備に合わせて柔軟に導入できることも特徴です。
「まずは空調設備だけ導入したい」「一部の設備から効果を確認したい」といった場合でも、必要な場所から段階的に導入できます。そのため、初めてエネルギー管理システムを導入する企業でも取り組みやすいでしょう。
複数の工場や事業所を運営している企業では、拠点ごとにエネルギーデータを管理すると、集計や比較に手間がかかります。
エネグラフは、各拠点で収集したデータをクラウド上で一元管理できます。そのため、本社や管理部門から各拠点の空調設備の電力使用量をまとめて確認でき、拠点ごとの使用状況や傾向も把握することが可能です。
また、拠点ごとの電力使用量や省エネ施策の効果を比較することで、効果の高い運用方法を他の拠点へ展開するといった活用も可能です。複数拠点のエネルギー管理を効率化しながら、全社的な省エネ活動を進められるでしょう。
空調設備は電力使用量が多く、運用方法や設備の状態を見直すことで、電気料金やCO₂排出量の削減につながります。また、快適な作業環境の維持や企業イメージの向上など、多くのメリットも期待できます。
空調の省エネを効果的に進めるためには、設定温度の見直しや定期的なメンテナンスに加え、空調ごとの電力使用量を把握しながら改善を進めることが重要です。データを活用することで、無駄な運転の発見や設備更新の判断、施策の効果検証も行いやすくなります。
エネグラフなら、空調ごとの電力使用量を見える化し、複数拠点のデータもクラウド上で一元管理できます。空調の省エネを効率よく進めたい方は、エネグラフの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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