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2025年11月4日

工場や企業が実践すべき省エネルギー方法と、効果を最大化するポイントを紹介

工場や企業が実践すべき省エネルギー方法と、効果を最大化するポイントを紹介

エネルギーコストの高騰や脱炭素への取り組みが求められる中、工場や企業における省エネルギー対策は避けて通れない課題となっています。照明や空調、モーターなどの設備改善はもちろん、電力の使用状況を正確に把握し、データに基づいて運用を最適化することが重要です。

本記事では、工場や企業が実践すべき省エネルギー方法を具体的に解説します。取り組みを成功させ、効果を最大化するためのポイントも紹介しますので、参考にしてください。

省エネルギーとは?工場・企業が知っておきたい基礎知識

まずは省エネルギーの定義や役割、現状など、基本となる知識について押さえていきましょう。

省エネルギーの定義と省電力との違い

省エネルギーとは、エネルギーの無駄をなくし、効率的に使用することを指します。単に電力を使わないことではなく、必要なエネルギーを最小限でまかなうための工夫や仕組みづくりを意味します。例えば、省エネ型設備の導入や稼働スケジュールの最適化などの取り組みです。

一方、省電力は電気の使用量を減らすことに焦点を当てた考え方です。エアコンの温度設定を調整したり、照明をLEDに変えたりするなど、電気という特定のエネルギー源に限定された対策を指します。

つまり、省電力は省エネルギーの一部にあたります。工場や企業では、電気だけでなく、ガスや燃料、熱なども含めたエネルギー全体を効率化することが、省エネルギーの本来の目的です。

工場や企業における省エネの役割

工場や企業における省エネの役割は、単なるコスト削減にとどまりません。電気・ガス・燃料といったエネルギーを効率的に使うことで、経営の安定化や環境への配慮、さらには企業イメージの向上にもつながります。

製造現場では、エネルギー使用量の削減がそのまま原価低減に直結します。省エネを意識した生産体制を整えることで、利益率を高めながら競争力を維持できるのです。また、脱炭素社会への流れが加速する中、省エネを進めることは企業の社会的責任(CSR)を果たす行動でもあります。

省エネルギーの現状

2025年度に実施された「中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査(日本商工会議所)」によると、脱炭素に関する取り組みを行っていると回答した企業は約7割(68.9%)です。中小企業の間でも、省エネを意識した経営が着実に広がっていることがわかります。

取り組み内容として特に多いのは、「省エネ型設備への更新・新規導入」(35.7%)と「運用改善による省エネの推進」(34.5%)です。照明や空調、モーター設備などの効率化を進める動きが中心であり、コスト削減と環境対策を両立する狙いが見られます。

また、「エネルギーの使用量や温室効果ガス排出量の把握・測定」に取り組む企業も約4社に1社(26.0%)に達しました。エネルギー管理を見える化することで、次の改善策を検討する企業が増えていることがわかります。

省エネルギーが企業に必要な理由

省エネルギーが企業に必要な理由について紹介します。

コスト削減と利益率向上につながる

省エネルギーの最大のメリットは、光熱費をはじめとするエネルギーコストを削減できる点です。製造業やオフィスビルなどでは、電力・ガス・燃料費が固定費の大きな割合を占めています。エネルギー効率の高い設備に更新したり、運転時間を最適化したりするだけでも、年間数%から十数%のコスト削減が可能です。

また、省エネによるコスト削減は、単に経費を抑えるだけでなく、利益率の改善にもつながります。エネルギー使用量を減らしても生産性を維持できれば、1製品あたりの利益が増加します。

法規制や国際基準への対応が求められる

企業が省エネルギーに取り組むもう一つの大きな理由は、国内外で進む環境規制への対応です。日本では「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」により、一定規模以上の事業者にはエネルギー使用量の報告や削減計画の提出が義務づけられています。

また、国際的にもISO50001(エネルギーマネジメントシステム)など、省エネを体系的に管理する仕組みが求められています。つまり、省エネは法令順守のためだけでなく、国際的な信用や取引の継続にも関わるテーマです。

脱炭素経営・企業価値向上に直結する

省エネルギーの推進は、脱炭素経営の基盤づくりに直結します。エネルギー使用量を減らせば、CO₂排出量の削減にもつながり、環境負荷を抑えながら事業を継続することが可能です。

近年、ESG投資やサステナビリティ経営が注目されており、環境に配慮した姿勢は投資家や取引先からの信頼を得やすくなり、結果としてブランド力の向上につながります。

工場や企業が行う効果的な省エネルギーの方法

工場や企業におすすめの効率的な省エネルギーの方法を紹介します。

照明の省エネルギー方法

照明の省エネルギー方法として代表的なのは、照明器具をLEDに切り替えることです。例えば、白熱電球60Wを電球型LEDランプに交換するだけで、約85%の省エネ効果が得られます。

また、人感センサーや明るさセンサーを導入することも効果的です。これにより、会議室や倉庫など、使用頻度が低い場所の無駄な点灯を防げます。そのほかにも、照明設備の定期清掃や点検を行う、使っていないエリアの電気をこまめに消すなど、日常的な工夫も意識しましょう。

参考元:令和7年度「夏季の省エネルギーの取組について」|資源エネルギー庁

空調の省エネルギー方法

空調の省エネルギー化を進めるうえで、まず見直したいのが設定温度と運転時間の管理です。冷房は28℃前後、暖房は20℃前後を目安にし、長時間の連続運転を避けるだけでも電力使用量を減らせます。

また、室外機の周囲にある障害物を取り除き、直射日光を避けることも忘れてはいけません。日射による温度上昇を抑えるだけで、約10%の省エネ効果が得られます。

そのほかにも、温度設定のルールを社内で共有する、サーキュレーターで空気を循環させるなど、身近な工夫も欠かせません。

コンプレッサーの省エネルギー方法

工場で多く使われるコンプレッサー(圧縮空気装置)の基本的な対策は、エア漏れの点検・修理です。配管のつなぎ目やホース部分からの微細な漏れでも、年間で数十万円分の電力ロスになることがあります。定期的な点検を習慣づけることが大切です。

また、インバータ制御型コンプレッサーへの更新も有効です。必要な圧力に応じてモーターの回転数を自動調整できるため、無駄な電力を使わず効率的に稼働します。

モーター駆動機器の省エネルギー方法

省エネルギー化を図るうえでは、高効率モーターへの更新がおすすめです。旧型モーターと比べてエネルギー損失が少なく、安定した出力で長期的に電力コストを抑えられます。わずかな摩擦や緩みが効率低下を招くため、日常的なメンテナンスも省エネには欠かせません。

電力の見える化で使用量を管理する方法

近年、電力の使用量をリアルタイムでモニタリングできる「見える化システム」を導入する企業が増えています。設備ごとや時間帯ごとの消費データを分析することで、どの工程で無駄が生じているかを具体的に把握できます。

見える化システムをクラウド型で運用すれば、複数拠点の使用状況を一括管理することも可能です。エネルギーの使い方を数字で共有することで、社員一人ひとりの意識改革にもつながり、組織全体での省エネ推進を後押しします。

省エネルギー効果を最大化するために企業ができること

省エネルギーは、一度取り組めば終わりではなく、継続的に改善していくことが重要です。より効果を高めるために企業ができることを紹介します。

補助金や助成金を活用して初期投資を抑える

中小企業では初期費用の負担が大きく、実施をためらうケースも少なくありません。こうしたときに活用したいのが、国や自治体が用意している補助金・助成金制度です。

代表的なものとして、経済産業省の「省エネルギー投資促進支援事業」や環境省の「脱炭素化推進事業」が挙げられます。これらは高効率設備の導入やエネルギー管理システムの構築などを支援するもので、申請が採択されれば数百万円規模の補助を受けられる場合もあります。

関連記事:【2025年最新】中小企業に役立つ省エネ補助金をエリア・設備別に紹介

再生可能エネルギーと組み合わせて長期的な効果を出す

太陽光発電や風力発電などを自社設備に組み合わせることで、使用電力量を減らすだけでなく、購入電力への依存を下げることが可能です。近年では、太陽光発電と蓄電池を併用する企業も増えています。

昼間に発電した電力を蓄電池にためて夜間に活用すれば、電力使用のピークを分散でき、電気料金の上昇リスクを抑えられます。省エネと再エネを組み合わせることは、持続可能な経営を実現するうえで有効な選択肢といえるでしょう。

関連記事:ピークカットとは?ピークシフトとの違いと導入ステップをわかりやすく解説

エネルギー管理システム(EMS)を導入する

省エネルギーの効果を継続的に高めるには、エネルギーの使用状況を見える化し、数値に基づいて改善を進めることが欠かせません。その中心的な役割を担うのがエネルギー管理システム(EMS)です。

EMSを導入すると、電力・ガス・燃料などの使用量をリアルタイムで監視でき、異常な消費や無駄な運転を早期に発見できます。さらに、データを蓄積・分析することで、設備ごとの稼働効率を比較したり、最も効果の高い省エネ施策を検証したりすることも可能です。

エネグラフを利用すれば、安価なエッジデバイスを設置するだけで使用量の変化をクラウドで簡単に見える化できます。

関連記事:電力の見える化で工場の節電対策が可能!重要性やメリットを紹介

まとめ

省エネルギーは、コスト削減だけでなく、企業の持続的な成長や社会的信頼の確立にも直結します。照明や空調などの基本的な設備改善に加え、補助金の活用やEMSの導入といった仕組みづくりを行えば、長期的に安定した省エネ効果を維持できます。

省エネ効果をより高めるためには、エネルギーの見える化が欠かせません。電気代を節約したい、異常を早期発見したいなどのお悩みがある場合は、ぜひエネグラフを活用してください。

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