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2026年2月17日

省エネへの取り組みとは?設備ごとの具体的な対策と事例を紹介

省エネへの取り組みとは?設備ごとの具体的な対策と事例を紹介

近年、エネルギー価格の上昇や脱炭素への対応を背景に、企業や工場における省エネへの取り組みがこれまで以上に重要視されています。電気代や燃料費の負担が増すなかで、「何から手を付ければよいのか分からない」と感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。

省エネは、単に設備を更新すれば実現するものではありません。照明や空調、コンプレッサ、生産設備など、設備ごとに適した取り組みを行うことで、無理なくエネルギー使用量を削減しやすくなります。

本記事では、企業や工場が取り組みやすい省エネ対策を設備別にまとめ、それぞれの具体的な取り組み内容と事例を紹介します。

企業における省エネの取り組み状況

省エネ対策に取り組む企業は増えていますが、実際にどの程度の企業が、どのような対策を行っているのか分からないと感じている方も多いのではないでしょうか。実際にどのくらいの企業が省エネに取り組んでいるのか、また、どのような対策を中心に行っているか紹介します。

省エネ・脱炭素に取り組んでいる企業は68.9%

2025年度中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査」によると、省エネ・脱炭素に関する取り組みを行っている企業は68.9%にのぼります。すでに多くの企業が、何らかの形で対策に着手している状況です。

業種別に見ると、製造業で取り組み割合が最も高く、エネルギー使用量が多い業種ほど省エネへの関心が高い傾向が見られます。一方で、医療・福祉業では取り組み割合が比較的低い結果となっています。

省エネへの取り組み内容は設備更新や運用改善が中心

省エネ・脱炭素に取り組んでいる企業が実施している内容を見ると、設備の更新や日常的な運用改善が中心となっています。主な取り組みは以下の通りです。

取り組み内容実施割合
  
省エネ型設備への更新・新規導入35.7%
運用改善による省エネの推進34.5%
エネルギー使用量・温室効果ガス排出量の把握・測定   26.0%
自家消費型太陽光発電設備の導入12.4%
脱炭素関連ビジネスの展開7.1%

省エネ対策を進めるうえでは、いきなり大規模な投資を行うのではなく、まずは運用改善や現状把握といった取り組みから始める企業が多いといえるでしょう。

企業や工場が省エネに取り組む重要性

企業や工場が省エネに取り組むべき理由・重要性について紹介します。

エネルギーコストの上昇に対応するため

近年、電力や燃料の価格は上昇傾向にあり、企業や工場にとってエネルギーコストの負担が無視できない状況になっています。特に製造業では、エネルギー使用量が多いため、コスト増加の影響を受けやすい傾向があります。

エネルギー価格の変動は、企業側で完全にコントロールできるものではありません。そのため、価格が上がっても影響を受けにくい体質をつくることが重要になります。省エネは、そのための現実的な対策の一つです。

無駄なエネルギー使用を見直せるため

省エネに取り組む過程では、これまで気づきにくかった無駄なエネルギー使用を把握できることも重要です。日常的に使われている設備や運用方法は、長年の慣習によって見直されないままになっているケースが少なくありません。

例えば、必要以上に稼働している設備や、待機状態でも電力を消費している機器などが挙げられます。こうした無駄は、一つひとつは小さく見えても、積み重なることで大きなエネルギー消費につながります。

環境負荷やCO2排出量の削減につながるため

省エネに取り組むことは、環境負荷やCO₂排出量の削減に直結します。エネルギー使用量を減らせば、その分、発電や燃料燃焼に伴う温室効果ガスの排出も抑えられるためです。

特に工場や事業所では、電力や燃料の使用が日常的に発生します。省エネ対策を進めることで、事業活動そのものの環境負荷を下げられます。

企業や工場の省エネ対策と取り組み事例【設備別】

省エネ対策は、照明や空調、コンプレッサ、生産設備など、設備ごとに適した対策を講じることが重要です。企業や工場で取り組みやすい省エネ対策を、設備別に分けて具体例とあわせて紹介します。

照明設備における省エネの取り組み

照明設備は、多くの工場や事業所で共通して使用されている設備であり、比較的取り組みやすい省エネ対策の一つです。主な取り組みとして、次のような方法があります。

・LED照明への更新

・不要時の消灯・人感センサーの活用

・誘導灯のLED化

この中でも、特に多くの企業が取り組んでいるのがLED照明への更新です。従来の蛍光灯や水銀灯と比べて消費電力が少なく、長寿命であるため、電気代削減と保守負担の軽減の両面で効果が期待できます。

実際の事例として、機能性食品原料製造会社では、培養室などの天井照明をLED化することで、次のような効果が得られています。

省エネ効果 5.0kL/年
年間削減金額      639千円/年
設備投資額 3,150千円
投資回収年数 4.9年

空調・換気設備における省エネの取り組み

空調・換気設備は、工場や事業所の中でもエネルギー使用量が大きくなりやすい設備の一つです。そのため、運用の見直しや設備改善による省エネ効果も比較的出やすい分野といえます。主な取り組みとして、次のような対策があります。

・設定温度の適正化

・室外機ファン・室内機フィルタの清掃

・高効率機器への更新

・外気・日射など外部熱負荷の低減

・ファン・ポンプのインバータ化

・待機電力の削減

・不要時の停止

この中でも、最も多くの企業が取り組んでいるのが設定温度の適正化です。大きな設備投資を行わずに着手できるため、比較的導入しやすい対策といえます。

実際の事例として、精密研削加工会社では、冷房を28度、暖房を22度に設定し、設定温度を2度緩和しました。その結果、次のような省エネ効果が得られています。

省エネ効果    1.1kL/年
年間削減金額     74千円

コンプレッサにおける省エネの取り組み

コンプレッサは、工場設備の中でも電力使用量が大きくなりやすい設備の一つです。エアの使い方や設定条件によって消費電力が大きく変わるため、運用改善による省エネ効果が期待できます。主な取り組みとして、次のような対策があります。

・吐出圧力の適正化

・エア配管などの漏れ防止

・高効率機器への更新

・エアブロー風量などの低減

・吸気フィルタの清掃

・吸気温度の低減

この中でも、**特に多くの企業が取り組んでいるのが「吐出圧力の適正化」と「エア配管の漏れ防止」**です。いずれも大規模な設備更新を行わずに着手しやすく、比較的短期間で効果が出やすい対策といえます。

実際の事例として、回転寿司コンベア製造会社では、コンプレッサの吐出圧力設定を0.83MPa-Gから0.7MPa-Gに引き下げました。その結果、次のような省エネ効果が得られています。

省エネ効果   0.2kL/年
年間削減金額   29千円

生産設備などにおける省エネの取り組み

生産設備は、工程ごとにエネルギーの使われ方が大きく異なるため、設備特性に応じた対策が重要になります。特にモーターを使用する設備や加熱設備では、運用条件の見直しや制御方法の改善によって、大きな省エネ効果が得られるケースも少なくありません。

主な取り組みとして、次のような対策があります。

・ポンプ・ファン・ブロワのインバーター化

・設備の不要時停止

・設定温度・流量・圧力などの適正化

・工場炉の保温・断熱

・加熱設備・タンクなどの断熱・保温

・高効率機器への更新

・工場炉などの空気比の適正化

この中でも、最も多く取り組まれているのが、ポンプ・ファン・ブロワのインバーター化です。実際の事例として、タルク粉製造会社では、粉砕工程における集塵機ファンをインバーター化した結果、以下のような省エネ効果が得られています。

省エネ効果16kL/年
年間削減金額    1,734千円

ボイラ・給湯・配管における省エネの取り組み

ボイラや給湯設備、配管まわりは、熱エネルギーのロスが発生しやすい設備です。特に配管やタンクの表面から逃げる放熱は、気づかないうちにエネルギーの無駄につながっているケースが少なくありません。

主な取り組みとして、次のような対策があります。

・配管などの保温・断熱

・空気比・蒸気圧力・温度の適正化

・遮熱回収

・高効率ボイラへの更新

実際の事例として、弁当製造会社では、ボイラ室の蒸気配管に保温対策を実施しました。その結果、次のような省エネ効果が得られています。

省エネ効果0.9kL/年
年間削減金額    71千円
設備投資額52千円
投資回収年数約0.7年

受変電設備における省エネの取り組み

受変電設備の主な省エネ対策は、高効率機器への更新と設備の統合・休止です。老朽化した変圧器を高効率タイプに更新することで、電力ロスを抑えられます。また、生産体制の変更などにより、過剰な容量の設備を使い続けているケースもあります。使用状況を見直し、不要な設備を休止・統合することで、無駄な電力消費を減らすことが可能です。

デマンド管理・給排水・その他における省エネの取り組み

デマンド管理・給排水分野では、主にデマンド監視装置の導入・活用と、給排水ポンプのインバーター化が代表的な省エネ対策です。

デマンド監視装置を活用することで、電力使用量のピークを把握し、ピークカットやピークシフトといった運用改善につなげられます。契約電力の見直しや、電気料金の最適化にも役立ちます。

再生可能エネルギーを活用した省エネの取り組み

再生可能エネルギーを活用した省エネの取り組みとしては、太陽光発電の導入が代表的です。自家消費型の太陽光発電を導入することで、購入電力を減らし、電気代の削減につなげられます。

また、発電した電力を自社で使用することで、CO₂排出量の削減にも寄与します。電力価格の上昇リスクを抑える手段としても、太陽光発電は有効な選択肢の一つといえるでしょう。

まとめ

企業や工場の省エネ対策は、照明や空調、コンプレッサなど、設備ごとに適した取り組みを行うことが重要です。まずは身近な設備から見直すことで、運用改善だけでも一定の効果が期待できます。

省エネを継続的に進めるには、エネルギー使用状況を把握し、数値を基に改善を重ねることがポイントです。エネグラフを活用すれば、エネルギーの見える化を通じて、無駄の把握や省エネ検討を進めやすくなります。

省エネへの取り組みとは?設備ごとの具体的な対策と事例を紹介
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