コラム
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2026年2月10日
電気料金の高騰を背景に、デマンド管理の重要性が企業にとってますます高まっています。なかでも、契約電力や基本料金に影響するデマンド値を把握する手段として、デマンド監視装置の導入を検討する企業が増えています。
デマンド監視装置は、デマンド値をリアルタイムで監視し、超過を防ぐための有効な手段です。本記事では、デマンド監視装置の仕組みや導入メリットを紹介します。また、電力管理を次の段階へ進めるための考え方も解説していますので、参考にしてください。
目次
デマンド監視装置とは、電力使用量をもとにデマンド値をリアルタイムで監視し、契約電力の超過を防ぐための装置です。電力の使用状況を常に把握し、設定したデマンド値に近づいた場合に警報を出すことで、電力使用の調整を促します。
デマンド値は電気料金の基本料金に直結するため、管理を怠ると電気代が大きく増加するケースも少なくありません。そのため、デマンド監視装置は、電気料金の抑制や電力管理の基礎として多くの企業で活用されています。
まずは、デマンド値の概要や、デマンド監視装置と他の関連機器との違いについて詳しく解説します。
デマンド値とは、一定時間内に使用した電力の平均値を示す指標です。日本では一般的に、30分間の平均使用電力がデマンド値として扱われ、電気料金のうち基本料金は、このデマンド値をもとに決まります。
過去一定期間で最も高かったデマンド値が基準となるため、一度でも大きな電力使用が発生すると、その後の電気料金に影響を与えます。そのため、日常的な電力使用量だけでなく、ピーク時の電力使用を把握することが重要です。
デマンド監視装置は「監視・通知」が中心ですが、デマンドコントローラーは「自動制御」が中心であることが二つの違いです。
デマンド監視装置は、デマンド値を監視し、設定値に近づいた際に警報を出すことが主な役割です。電力使用の状況を把握し、人が判断して対応するための装置といえます。
一方、デマンドコントローラーは、デマンド値が上昇した際に、あらかじめ設定した設備を自動で制御します。空調や一部設備を停止させるなど、機器側で電力使用を抑える仕組みです。目的や運用体制に応じて、適切な機器を選ぶことが重要です。
デマンド監視装置は、現場に設置してデマンド値を監視し、警報などで注意を促す装置です。一方、デマンド監視システムは、装置で取得したデータをクラウドなどに集約し、継続的に管理・分析するシステムのことを指します。つまり、デマンド監視システムは、データを活用して改善につなげる仕組みのことです。
デマンド監視装置の導入費用は、装置の種類や機能、設置環境によって異なります。一般的には、装置本体の費用に加えて、設置工事費や初期設定費が発生します。シンプルな監視機能のみの装置であれば、比較的低コストで導入できるでしょう。
デマンド超過を防ぐことで電気料金の基本料金を抑えられれば、導入後にコスト削減効果を得られます。デマンド管理を適切に行えば、初期費用がかかったとしても、電気代削減によって回収することが可能です。
デマンド監視装置には、電力使用状況を把握し、デマンド超過を防ぐための機能が備わっています。デマンド監視装置に搭載されている代表的な機能について解説します。
デマンド監視装置の基本機能は、デマンド値をリアルタイムで表示し、常に監視できることです。現在の電力使用状況を把握できるため、電力の使い過ぎに早く気づけます。
デマンド値は時間帯や稼働状況によって変動します。リアルタイムで確認できることで、ピークが発生しやすいタイミングを把握することが可能です。この機能により、電力使用の状況を意識しながら運用できるようになります。
デマンド監視装置は、デマンド値を常時監視し、設定した上限に近づいた際に管理者へ通知することが主な機能です。通知方法は、警報ランプやブザーに加え、メールなど複数の手段に対応しているケースがあります。
事前に通知を受け取れるため、デマンド値が基準を超える前に対応しやすくなることが特徴です。例えば、複数の社員のメールアドレスを登録しておけば、関係者全員が状況を把握できます。その結果、不要な設備の停止や電力使用の調整といった行動を迅速に取ることが可能です。
デマンド値は、過去一定期間の最大値が基本料金に反映されるため、1回の超過でも料金に影響を与える可能性があります。そのため、異変を早く知り、即座に行動へ移せる警報機能は、デマンド管理において重要な役割を果たします。
デマンド監視装置を導入すれば、電力使用状況を分かりやすく見える化することが可能です。電力の使用量を継続的に記録することで、日々の電力の使われ方を把握しやすく、数値やグラフで確認できるため、感覚ではなく事実にもとづいた判断ができます。
見える化によって、時間帯ごとの電力使用量の違いが明確になれば、どの時間帯に電力使用が集中しているのかを把握できるため、調整すべきポイントを特定しやすいです。設備や稼働状況によるエネルギー使用の傾向もつかみやすくなります。
こうしたデータをもとに、具体的な省エネ対策を検討できます。例えば、特定の時間帯に使用量が急増している場合、その原因を分析し、運用の見直しにつなげることが可能です。電力使用状況の見える化は、無駄を減らし、効率的なデマンド管理を行うための重要な土台といえます。
デマンド監視装置の中には、負荷制御と連携できるタイプがあり、設定したデマンド値を超えそうになった際に、設備の稼働を自動で調整することが可能です。
一般的なデマンド監視装置では、警報によって事前に超過の兆候を知らせてもらえます。しかし、そのあとの対応は人が設備を停止させるなどの判断が必要です。一方で、負荷制御と連携していれば、デマンド値が設定値に近づいたタイミングで、あらかじめ指定した設備を自動的に制御できます。
このような仕組みは、デマンドコントローラーやエネルギーマネジメントシステムでも活用されています。常に人が対応するのが難しい現場や、人手不足の環境では、自動制御を取り入れることがおすすめです。
デマンド監視装置を導入することで、電力使用状況を把握しやすくなり、電気料金の抑制や電力管理の効率化につながります。単にデマンド値を監視するだけでなく、日常的な運用改善や省エネ施策を進めるうえでも有効です。デマンド監視装置を導入することで得られる主なメリットを解説します。
デマンド監視装置を導入する最大のメリットは、電気料金の抑制につながることです。電気料金の基本料金は、過去一定期間の最大デマンド値をもとに決まるため、一度でもデマンド超過が発生すると、その後の料金に影響します。
デマンド監視装置を活用すれば、デマンド値の上昇をリアルタイムで把握でき、超過しそうなタイミングで対策を取れます。その結果、契約電力の超過を防ぎやすくなり、基本料金の上昇リスクを抑えることが可能です。
ピーク時の電力使用を意識した運用が定着すれば、電気料金を安定させやすくなるため、デマンド管理は、電気代削減を進めるうえで欠かせない取り組みといえます。
デマンド監視装置を導入すると、電力使用状況をグラフなどで分かりやすく見える化できます。その結果を従業員と共有することで、日々の業務の中で電気使用量を意識してもらいやすいです。
これまで見過ごされがちだったピーク時の電力使用や、無駄な設備稼働にも気づきやすくなり、一人ひとりが電力の使い方を見直そうとする意識が生まれます。
単に数値を管理するだけでなく、行動の変化につながることがメリットです。
省エネは、一部の経営陣や管理部門だけが意識しても十分な効果は得られません。実際に設備を使用し、現場で働く社員一人ひとりが意識を持つことで、はじめて継続的な改善につながります。
デマンド監視装置は、遠隔から電力使用状況を確認することが可能です。現場に常駐していなくても、デマンド値や電力使用量を把握できるため、管理の負担を軽減できます。
例えば、管理部門や別拠点からでも電力の使用状況を確認できれば、異常や変化に早く気づけます。緊急時に現場へ向かう前に状況を把握できることは、対応の判断を行ううえでも有効です。
また、機種によっては設定変更や操作を遠隔で行える場合もあります。複数拠点を管理している企業にとって、場所に縛られず電力管理を行えることは大きなメリットです。
デマンド監視装置は、電力管理に関する設備の中でも、比較的低コストで導入しやすいです。大規模なシステム構築を行わなくても、デマンド値の監視という目的に絞って導入でき、装置の設置や設定がシンプルなケースも多くあります。
また、デマンド超過を防ぐことで電気料金の削減が期待できるため、初期費用がかかった場合でも短期的に回収が見込めます。投資対効果を踏まえて検討しやすいため、見える化の導入において最初に選ばれやすい対策です。
また、さまざまなエネルギー使用量が把握できるエネグラフのエッジデバイスも、装置を取り付けるだけで電力使用状況を見える化できる仕組みです。専門的な設定や複雑な工事を必要とせず、対象となる設備にエッジデバイスを設置するだけで、データの取得と可視化を始められます。
エネグラフは、デマンド監視よりもお手軽に管理の手間を増やさずに見える化を進められるため、電力管理をこれから強化したい企業にもおすすめです。
デマンド監視装置は、どの製品を選ぶかによって運用のしやすさや効果が大きく変わります。デマンド監視装置を選定する際に押さえておきたい注意点を解説します。
デマンド監視装置を選ぶ際は、まず自社が抱えている課題を明確にすることが重要です。電気料金の基本料金を抑えたいのか、ピークの発生要因を把握したいのかによって、必要な機能は異なります。
例えば、警報による注意喚起が目的であれば、シンプルな監視機能でも問題ありません。一方で、運用の自動化や安定した管理を求める場合は、負荷制御の機能がついたものやデマンドコントローラーなどが必要です。
機能が多ければ良いわけではなく、自社の運用体制や目的に合った機能を備えているかを見極めることが、失敗を防ぐポイントです。
デマンド監視装置を選ぶ際は、導入時の費用だけでなく、運用にかかるコストも意識しましょう。初期費用が想定内であっても、保守費用や通信費、システム利用料などが継続的に発生する場合があります。
また、運用に手間がかかりすぎると、担当者の負担が増え、結果的に使われなくなることもあります。コスト面だけでなく、運用に必要な工数も含めて検討することが重要です。
無理のないコストで継続的に運用できる装置を選ぶことで、デマンド管理を長期的に定着させやすくなります。
デマンド監視装置は、導入して終わりではなく、運用を通じて効果を出していく設備です。
そのため、装置そのものだけでなく、提供する会社の実績やノウハウも重要な判断材料になります。
また、デマンド管理に関する知見が蓄積されている会社であれば、単なる装置導入にとどまらず、運用改善のアドバイスも期待できます。長期的に電力管理を任せられるパートナーかどうかを意識して選ぶことが重要です。
デマンド監視装置を安定して運用するためには、トラブル時のサポート体制も重要です。装置の不具合や通信トラブルが発生した場合、迅速に相談できる窓口があるかどうかで、影響の大きさが変わります。
特に、デマンド管理は電気料金に直結するため、対応が遅れるとコスト増加につながるおそれがあります。そのため、導入前にサポートの対応範囲や連絡手段、対応時間を確認しておくことが大切です。
サポート体制が整っていれば、万が一の際も安心して運用を続けられます。装置を長く活用するためには、相談しやすい体制が用意されていることを重視して選ぶことが重要です。
デマンド監視装置を導入することで、ピーク電力の管理や電気料金の抑制は進めやすくなります。一方で、電力管理をさらに高度化するためには、日常的な使用状況を継続して把握し、改善につなげていくことが欠かせません。
そこで有効なのが、エネルギー使用量をクラウド上で見える化できるサービスの活用です。
エネグラフを活用すると、エッジデバイスで取得したエネルギー使用量をクラウド上でまとめて確認できます。工場や設備のどこで、どの程度エネルギーが使われているのかを、画面上で直感的に把握できるため、現場に足を運ばなくても構いません。
また、日常的に確認したいデータを画面上に整理して表示できるため、電力使用量の変化や傾向をすばやく把握できます。データは時系列で蓄積され、必要に応じて詳細データをダウンロードして分析に活用することも可能です。
エネグラフを活用することで、電力使用量を一時的に確認するだけでなく、継続的な管理につなげやすくなります。使用量の推移や変化を定期的に把握できるため、対策の効果を振り返りながら改善を進められるのが特徴です。
例えば、省エネ施策を実施した前後で電力使用量を比較すれば、取り組みの成果を数値で確認できます。効果が見えにくい対策であっても、データをもとに判断できるため、次の改善につなげやすくなります。
エネグラフは、電力管理をこれから始めたい企業でも導入しやすくなっています。大がかりな工事や複雑な初期設定を前提とせず、エッジデバイスを対象設備に取り付けるだけで、データ取得と見える化を始められるからです。
初期費用を抑えやすく、必要な範囲から段階的に導入できるため、まずは一部設備で運用し、効果を確認しながら拡張することもできます。
デマンド監視装置は、電力使用量のピークを把握し、契約電力の超過を防ぐための有効な手段です。デマンド値をリアルタイムで監視し、警報や負荷制御と組み合わせることで、電気料金の抑制につながります。一方で、デマンド監視は主にピーク電力の管理が中心であるため、日常的な電力使用量の最適化までカバーするには別の仕組みが必要です。
エネグラフを活用すれば、エッジデバイスを設置するだけでエネルギー使用量をクラウド上で見える化できます。デマンド監視装置によるピーク対策と、エネグラフによる継続的な見える化を組み合わせることで、電力コストの削減と安定したエネルギー管理の両立を目指しやすくなります。

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