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2025年7月3日

工場の電気代の削減方法!内訳や相場、計算方法について解説

工場の電気代の削減方法!内訳や相場、計算方法について解説

 工場の電気代を削減するには、何にどのくらい電力を使っているのか、内訳を把握することが大切です。電気代は固定費の中でも大きな割合を占めています。無駄な電力消費を放置していると、利益を圧迫する要因になりかねません。

 本記事では、工場の電気代の削減方法について解説します。また、内訳や相場、計算方法についても紹介しますので、参考にしてください、

1.工場の電気代の内訳

分類項目  内容使用割合 
生産設備モーターや機械の駆動など、製品を製造するための設備が消費する電力 83%
一般設備作業空間を快適に保つための空調や照明設備など 17%

参考元:経済産業省|資源エネルギー庁

 工場の電力使用量の大半は生産設備が占めており、エネルギー管理の重点対象となります。特に、電力の見える化を通じて生産設備の稼働状況を詳細に把握することが、省エネやコスト削減に直結します。

工場の電気代の相場・平均は?

 工場の電気代は一般的な製造業で見ると月間数十万円から数百万円です。ただし、業種や規模、稼働時間によって大きく異なります。特に電気炉やモーター、空調などを多用する業種では、電気代が経費の中でも大きな割合を占めています。

 例えば、中小規模の製造工場であれば、月30万~100万円前後が一つの目安です。一方で24時間稼働やライン生産が行われる大規模工場では、月数百万円以上のコストが発生することも珍しくありません。

 また、業種によって消費電力量の構成にも違いがあります。精密加工業は機械が主、食品工場では空調・冷蔵が中心など、電気の使い方に応じて削減ポイントも変わってきます。そのため、自社の相場が高いのか低いのかを判断するには、同業種・同規模の平均と比較することが重要です。

工場の電気代は上がっている?推移を紹介

工場の電気代は上がっている?推移を紹介

参考元:新電力ネット

 法人向けの電気料金単価を見ると、安定的に推移していることが分かります。しかし、「以前より電気代が高くなった」と感じている企業も少なくありません。工場の電気代が高いと感じる原因は、以下のとおりです。

大手電力会社による基本料金や電力量料金の値上げ

燃料費調整額の増加

再エネ賦課金の上昇

 2021年以降、原燃料価格の高騰や経済情勢の変化を受け、各電力会社が段階的に料金単価を引き上げてきました。また、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、「再エネ賦課金」も毎年上昇を続けています。

 こうした複数の要素が重なった結果、単価が横ばいでも実際の請求額は高くなる構造となっているのです。今後も世界情勢やエネルギー政策の影響を受け、電気代はさらに上昇する可能性があります。そのため、早めに電気代削減策に着手しておくことが重要です。

2.工場の電気代の計算方法

工場の電気代の計算方法について紹介します。

基本料金の計算方法

 工場の電気代における基本料金は、契約している電力会社や契約プランに応じて毎月一定額が請求される固定費です。これは主に、契約電力(最大需要電力)をもとに算出されます。高圧契約であれば「過去1年間のうち最大の30分間平均使用電力」に基づいて基本料金が決まるケースが一般的です。

 例えば契約電力が100kWで、基本料金単価が1,500円/kWだった場合、基本料金は100kW × 1,500円 = 150,000円となります(厳密には、供給された電力のうち有効に使われた電力の割合である「力率」によって金額は上下します)。この金額は、実際の使用量に関わらず毎月固定で発生します。

 つまり、工場にとって基本料金を削減するには、無駄なピーク電力の抑制が非常に重要です。

電力量料金の計算方法

 電力量料金は、実際に使用した電力量(kWh)に応じて請求される変動費です。基本的には「電気使用量 × 単価」で計算されますが、使用時間帯や契約プランによって単価が異なる場合もあるため注意が必要です。

 例えば、昼間の電力単価が30円/kWh、夜間の電力単価が15円/kWhに設定されているプランを考えてみましょう。昼間に2,000kWh、夜間に1,000kWh使用した場合、電力量料金は「2,000 × 30円 + 1,000 × 15円 = 75,000円」です。

 上記に加えて、燃料費調整額や再エネ賦課金も電力量に応じて加算されます。これらは月ごとに変動するため、使用量が同じでも請求額が異なることがあります。

工場の電気代の目安を紹介

 工場における電気代の目安は、業種や設備構成、生産規模によって大きく異なります。いくつか電気代の目安を紹介します。燃料費調整額や再エネ賦課金は含まれていません。

【中小規模の製造工場(契約電力100kW・月6万kWh使用の場合)】

基本料金:100kW × 1,500円/kW = 150,000円
電力量料金:60,000kWh × 25円/kWh = 1,500,000円
合計:165万円/月

【中堅規模の工場(契約電力300kW・月15万kWh使用の場合)】

基本料金:300kW × 1,500円/kW = 450,000円
電力量料金:150,000kWh × 25円/kWh = 3,750,000円
合計:420万円/月

【大手メーカー・24時間稼働の工場(契約電力800kW・月40万kWh使用の場合)】

基本料金:800kW × 1,500円/kW = 1,200,000円
電力量料金:400,000kWh × 25円/kWh = 10,000,000円
合計:1,120万円/月

【小規模工場・軽作業中心(契約電力30kW・月1.5万kWh使用の場合)】

基本料金:30kW × 1,500円/kW = 45,000円
電力量料金:15,000kWh × 25円/kWh = 375,000円
合計:42万円/月

 目安の金額だけに頼るのではなく、自社の使用実態や設備状況を確認した上で、最適な電力運用と契約プランを見直すことが求められます。次に工場の電気代を削減する方法を紹介しますので、参考にしてください。

3.工場の電気代を削減する7つの方法

工場の電気代を削減する方法について紹介します。

電気代を削減する方法はいくつもありますので、自社に合った方法を取り入れましょう。

電力を見える化して使用状況を把握する

 電気代削減の第一歩は、見える化です。いつ・どこで・どれだけ電力を使っているかを把握することで、ムダを発見しやすくなります。例えば、エネグラフのようなクラウド型エネルギー管理サービスを導入すれば、リアルタイムで電力使用量を可視化し、無駄な使用を抑えることが可能です。

デマンド管理でピーク電力を抑える

 電力契約の基本料金は、過去のピーク使用電力をもとに算出されます。そのため、一時的な電力の急増を避ける「デマンド管理」が有効です。特定の時間帯に複数の機器を同時に稼働させないよう調整することで、ピーク電力を抑え、基本料金の引き下げが期待できます。

省エネ型の設備に入れ替える

 老朽化した設備は、消費電力が高くなる原因になります。最新の省エネ型機器に入れ替えることで、電力消費を大幅に抑えることが可能です。

 モーター、照明、空調など、特に消費電力が多い設備から優先的に見直すと、効果的な削減が図れます。また、省エネ性能の高い設備はメンテナンス費用も抑えられることが多く、長期的なコスト削減に役立ちます。

従業員の省エネ意識を高める

 いくら設備を更新しても、使い方が非効率では電気代削減にはつながりません。従業員に対して省エネの重要性を周知し、日々の行動改善を促すことが必要です。社内ポスターや朝礼での呼びかけ、定期的な研修などを通じて、意識の底上げを図りましょう。

 電力の見える化を導入すれば、削減効果が目に見えて分かるため従業員の省エネ意識を高めるきっかけになります。

電気料金の安い電力会社に切り替える

 電力自由化により、企業は電力会社を自由に選べるようになっています。現在契約している料金プランが最適とは限らないため、今よりも電気代が安くなる電力会社に切り替えてみましょう。

 契約できる電力会社は無数にありますので、料金シミュレーションなどを活用しながら複数の会社を比較してください。業種や使用状況に合ったプランを選ぶことで、年間数十万円のコスト削減につながります。

不要な稼働・待機電力を減らす

 使っていない機器の電源を入れっぱなしにしていると、待機電力によって無駄な電気を使うことになります。休憩時間中のライン停止や、夜間・休日の電源オフ徹底など、細かい運用ルールを整備し、無駄な稼働を減らしましょう。

太陽光発電や蓄電池の導入を検討する

 再生可能エネルギーの活用も、電気代削減に効果的です。特に日中の使用電力が多い工場では、太陽光発電の自家消費が電力コストの削減に貢献します。また、蓄電池と組み合わせることで、ピークシフトや災害時の非常用電源としても活用できます。

4.まとめ

 工場の電気代は、燃料費調整額や再エネ賦課金などの影響で上昇傾向にあります。効率よく電気代を削減するためには、まず電力使用状況を見える化し、どこにムダがあるかを正確に把握することが大切です。

 また、デマンド管理や省エネ設備の導入など、多角的なアプローチを組み合わせることで効果が高まります。これらの対策を効率的に実践するためには、クラウド型エネルギー管理サービス「エネグラフ」の導入がおすすめです。

 エネグラフを導入することで、電気代の削減はもちろん、環境への配慮やエネルギー使用の品質向上、従業員の節電意識の向上も期待できます。電気代削減を検討している方は、ぜひご相談ください。

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